猫の爪とぎ、ひっかき癖は習性だからしょうがないと半ば諦めつつも、「一定の場所でしてほしい!」と多くの飼い主さんがお悩みです。
実はこの「爪とぎ」「ひっかき」にも意味があると高田さん。今回はひっかき防止についてのレクチャーです。
Aさん
レオくん
(MIX、5歳、♂ 外にも自由に出られる)
Bさん
みかんちゃん
(チンチラ、3歳、♀ 室内飼い)
Cさん
チロルちゃん
(アメリカン・ショートヘア 5ヶ月 ♀ 室内飼い)
講師の高田由香さん
ソファや家具が台無しに
今回は猫の爪とぎ、ひっかきについて皆さんとお話していきたいと思います。よろしくお願いします。早速 ですが、ひっかき癖でこまっている方はいらっしゃいますか? | ||
うちは家の中のいろいろなところで爪とぎをしてしまって困っています。壁紙や柱では当たり前のように爪とぎをしてしまうし、ソファや新しい家具をひっかいていることもあります。
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我が家のみかんは爪とぎに関しては、ほとんど専用の板でやってくれます。ただ、同居のトイプードルとたまにケンカをして爪でひっかいてしまうことがあり、困っています。
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チロルはまだ子猫なので、爪とぎらしい爪とぎはしていませんね。今からどうやってしつけようか皆さんに教えていただこうと思っています。
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子猫には爪とぎの実演を
猫のひっかき癖で一番飼い主さんを困らせるのは『してほしくない所でする爪とぎ』ですよね。この一見、問題行動のように思える爪とぎにも実はちゃんとした意味があるんです。 猫が爪とぎをする主な理由は ・古い爪をはがすため ・においをつけて(マーキング)縄張りを主張するため ・体を伸ばす運動のため などです。 爪とぎは猫の習性ですから、やめさせることは難しいですが、しつけと飼い主さんの工夫で最小限に防ぐことはできます。 |
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うちのレオの爪とぎはマーキングなのでしょうか?
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そうですね、マーキングの意味合いが強いかもしれませんね。見慣れない物や新しい物に自分のにおいをつけているのでしょうね。チロルちゃんはまだ爪とぎをしていないそうですね。
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そうなんです。今から爪とぎのしつけをしたいと思っています。
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一般的に子猫は2ヶ月くらいから爪とぎを始めます。爪とぎをしやすい場所を見極めて、爪とぎの板を置いてあげます。爪とぎ板に実際に愛猫の前足をのせて、動かしてあげて『こうやって爪とぎするのよ』と教えてあげると良いでしょう。 |
猫が嫌いなニオイで爪とぎ回避
爪とぎ板以外でしてしまった時は、どのようにやめさせればいいんですか? |
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『いけない』など、いつもと違うトーンの声で教えてあげてください。体罰は人の手をこわがるようになったり、飼い主さんの突発的な動きに緊張するようになる原因になるので、絶対にやめましょう。みかんちゃんは、どのように爪とぎを覚えたんですか? | ||
うちは爪とぎ板や爪をといでよい場所にまたたびの粉をふりかけました。そうしたら、においに興味を持ち、そこでかりかりと爪をとぐようになりました。 |
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レオのような大人の猫にもしつけをすることができますか? |
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大人の猫の場合は、飼い主さんが工夫をしてあげることが大切です。 また、爪がひっかかりやすい場所で爪とぎをすることが多いですから、爪とぎする場所にすべるようなものを置いてみたり、テープを貼ってみたりして、爪とぎする場所に愛猫を近づけないのも一つの方法です。 |
猫の爪切りは状況にあわせて
猫に爪切りは必要ですか? |
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みかんちゃんのように、同居のペットとケンカをしてしまったり、小さなお子さんがいるようなご家庭の猫は、爪を切ってあげることも必要ですね。 ただ、レオくんのように外に出ることがある猫の場合、爪を切ってしまうと引っかかりがなくなり、危険回避のための木登りや飛びつきに支障が出る場合がありますので、切らない方が良いでしょう。 |
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あまり考えたことがありませんでしたが、猫の爪って、とても大事なものなんですね。 |
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爪とぎに深い理由があるなんて、知りませんでした。 |
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爪とぎをやめさせるのではなく、爪とぎをしてもいい場所としてはいけない場所を明確にしておくほうがよさそうですね。 |
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そうなんです。爪とぎを問題行動と捉えず、猫の本能からの行動だとしっかり理解して、愛猫の気持ちを考えた対処方法をしていただければと思います。 |
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