そもそも「狂犬病」ってどんな病気ですか?もともとの感染源は、どんな動物ですか?
狂犬病は、狂犬病ウイルスの感染による疾患です。
主に、咬傷を通じて狂犬病ウイルスが、人間や哺乳動物に侵入して感染が成立し、発症したら治癒、回復することなく死亡する、人獣共通感染症のひとつです。
もともとの感染源は、野生のキツネ、オオカミ、ジャッカル、コヨーテ、マングース、野犬、野良猫、スカンク、アライグマ、リス、吸血コウモリ、テン等です。
犬はどのようにして狂犬病にかかるのですか?
犬が狂犬病ウイルスを保有している野生の動物と喧嘩をしたり、噛んで傷つけられたり、また、捕食したりして、唾液に含まれる狂犬病ウイルスに感染します。
犬が狂犬病ウイルスに感染すると、脳でウイルスが増殖し、意識障害、落ち着きがなくなり、暴れたり、よだれをたらしたりという症状が起こります。
狂犬病にかかった犬は、見境なくかじるので、他の犬に次々に伝染します。
犬の場合、狂犬病の犬にかじられてから発症するまでの潜伏期間は、1週間から3ケ月くらいです。
現在、狂犬病の発生がないと確認されている国は、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、日本、スウェーデンの6カ国のみです。これらの国はほとんどが島国です。
大陸で陸続きの国々は、発生の大小はあれど、危険性を抱えていると言えます。感染・発症の多い国は、インド、タイ、中国などです。
海外旅行の際は、飼い犬であっても、むやみに触らない方が安全です。
狂犬病の歴史について
狂犬病は、紀元前1700年ごろの、古代バビロニアにおいて発布された『ハムラビ法典』に記述されている、非常に古い伝染病の1つであり、17世紀から19世紀にかけて、世界各地で猛威を振るい、野生動物間の感染が大きくなったと考えられます。
日本では、717年に発布された『養老律令』に、「狂犬(たぶれいぬ)」の記載があり、当時、既に狂犬病が発生していたことが推測されます。
共生のためには必要な場面も多い
ドッグランなど、飼い犬を自由に遊ばせることができる施設も多くなりました。このような施設を利用する際にはかならず狂犬病の予防接種は必要です。利用規約として定められていない場合でも、マナーとしてかならずワクチン接種は必要です。ドッグランだけではなく、お散歩中や、ドッグカフェなど、犬同士のふれあいをさせるときのマナーです。
子犬を飼い始めました。混合ワクチンは済ませましたが、狂犬病ワクチンはどのようにして受けるのですか?集団接種があるようですが、働いているので平日の昼間は受けに行けません。
狂犬病を知ろう
みなさんから寄せられた相談
今、飼育している犬は高齢犬なので、狂犬病ワクチンは身体に負担がかかりそうだし、アレルギーが心配です。注射が原因で死亡したりするとイヤなので、受けたくありません。
現在使用されている狂犬病ワクチンは、製造方法も昔のワクチンと違い、安全なワクチンです。
日本では狂犬病予防法によって、生後91日以上の犬は、毎年1回、狂犬病の予防注射を受けなければならないことが義務付けられています。
自己責任において、愛犬を飼育管理し、危機管理対策を常に怠らないことが重要です。
ただ、愛犬の体調が心配な場合は、動物病院に相談し、接種する前に体調を見てもらったり、指示を受けましょう。
春は飼い主さんの環境の変化なども多く、ペットも体調を崩しやすいくなります。ペットの体調管理には十分配慮しましょう。
子犬を飼い始めました。混合ワクチンは済ませましたが、狂犬病ワクチンはどのようにして受けるのですか?集団接種があるようですが、働いているので平日の昼間は受けに行けません。
狂犬病ワクチンの集団接種に関する情報は、市町村の広報紙に、4月〜6月の間に、日時、場所、登録手続き、ワクチン費用等が掲載されます。
注射を受けた後、注射済票の証書が交付されます。証書には青・赤・黄の3種類があり、年度によって変わります。注射票は、わんちゃんの首輪等、いつも身に着けておくことが規定されています。
この集団接種に行くことができなくても、ご近所の動物病院でも受け付けています。注射済票の証書も、代行して行うところもありますので、一度、動物病院にご相談ください。