ちょっとしたコツでぐんとかわいく撮れる 暮らし

手軽にペットでインスタ映え 【プロが教える】ワンちゃん・猫ちゃんの写真の撮り方

InstagramなどのSNSに愛するワンちゃん、猫ちゃんの写真をアップしたいけど、ブレちゃうしかわいく撮れない! でも、コツさえ押さえれば、スマホでもブレずにかわいい写真が撮れるんです。今回は、ワンちゃんなど動物写真を得意とするプロカメラマンの木寺良三先生に、ペットをかわいく撮るコツを教えていただきました。

木寺良三(きてら りょうぞう)先生

風景や動物をはじめ建築、ステージなどの撮影を行う写真事務所、[ Photo Works Terra ]主宰。柴犬ハルを飼い始めた事をきっかけに20年ほど前からペット撮影にも積極的に取り組み、ペット関係紙やカレンダーにも多くの作品を提供。2007年2月に「Dog Selection Best 200」(日本文芸社発行)の写真を担当。また2007年12月には「犬からの素敵な贈りもの」(インフォレスト発行)を出版、ドッグフォトのストックは180犬種以上になる。日本写真家協会(JPS)会員。
https://www.facebook.com/photoworksterra/

この記事の内容をまとめると……

スマホは画面上のボタンではなく「音量調節ボタン」でシャッターを切る

iPhone、Androidなどのスマホでワンちゃんや猫ちゃんの写真を撮る場合、カメラアプリの画面内のシャッターボタンを押すと片手でスマホを持ち、もう片方の手でシャッターボタンを押すことになるので、写真がブレてしまいやすいです。

この白いシャッターボタンを押すと手ぶれしやすいですし、画面を覗き込まないと写真が撮れないのでアングルがワンパターンになりがちです。
【写真撮影:編集部】

そこで、iPhoneなら音量調節ボタンを押してシャッターを切ってください。Androidでも、設定画面などから音量調節ボタンにシャッター機能を割り当てることができる機種が多いです。

iPhone8Plusだと左上に音量調節ボタンがあります。
【写真撮影:編集部】

音量調節ボタンでシャッターを切るだけで、手ぶれが格段に少なくなります。

スマホでノーファインダー撮影に挑戦!

音量調節ボタンでの撮影に慣れてきたら、画面(ファインダー)を見ずにシャッターを切る「ノーファインダー撮影」に挑戦してみてください。
「画面を見ないで撮影するの?」
と疑問に思われるかもしれませんが、ノーファインダー撮影には様々なメリットがあります。

まず、スマホの画面を覗き込んで構図を考えてシャッターを押す、という一連の動作を短縮し、スマホをペットに向けて音量調節ボタンを押すだけなので、シャッターチャンスを逃しません。
さらに、「いつもペットを画面中央に収めて写真を撮る」といった構図に縛られなくなります。
さっとスマホを出してノーファインダー撮影をしたら、斬新な構図で写真が撮れていた、ということがよくありますよ。

また、地面すれすれから撮影する(ローアングルからの撮影)など、自由なアングルから写真を撮影することができるようになります。
ノーファインダー撮影は、カメラアプリのシャッターボタンを押すと非常にやりにくいですが、音量調節ボタンを使うことでスムーズにできます。

低い位置(ローアングル)からノーファインダー撮影をすると、ワンちゃん、猫ちゃんもカメラを意識せず、自然な表情を撮ることができます。
【写真提供:木寺良三先生(スマホで撮影)】

お澄まし顔の写真を撮るときは音、食べ物、動きのどれかでカメラ目線をもらう

お座りしたワンちゃんや猫ちゃんが、カメラのほうをじっと見ている写真を撮りたいときは、カメラに注目してもらうことが必須です。
ワンちゃんや猫ちゃんが、音、食べ物、飼い主様の動き(おいで!と手招きするなど)のどれに注目するかは、飼い主様が一番よくご存じでしょう(笑)。
ワンちゃんも猫ちゃんも、集中は長く続きません。ぱっとカメラ目線をもらってさっと撮ることが必要です。

私は、ワンちゃんの撮影時には犬笛を長年愛用しています。多くのワンちゃんにとって「聴いたことがない音」で、かつ「怯えない音」なので、注目を引きやすいのです。

私が長年愛用している犬笛です。ネットで「犬笛」で検索すると商品がいくつかヒットしますので、お試しください。
【写真提供:木寺良三先生】

また「パフー」と気が抜けたような音が鳴る、自転車用のクラクション(ラッパ)も怯えずに注目してくれるワンちゃんが多いです。
猫ちゃんの場合は音が苦手なことも多いので、おやつや飼い主様の声などで注目させてみてください。

背景はなるべくシンプルに、お座りと待てができると撮りやすいです

室内でお座りしたお澄まし写真を撮るとき、気をつけたいのは背景です。
例えば洗濯物が映り込むなどしてしまうと、生活感が出てしまいますし、写真を見る人の目もワンちゃん、猫ちゃんよりもそちらに向いてしまいます。

壁やカーテンなどを背景に、周りをさっと片付けて撮りましょう。逆に、撮影範囲外はいくら散らかっていてもかまいません(笑)。
また、フラッシュは炊かないほうがいいです。自然光での撮影を心がけましょう。

ワンちゃんの周りを片付けて、犬笛で画面に注目してもらってスマホで撮影した写真です。さっと撮ることがコツです。
【写真提供:木寺良三先生(スマホで撮影)】

カメラとは別のところにワンちゃんの視線を誘導して撮ってもいい写真になりますよ。

カメラとは別のところにワンちゃんの視線を誘導して撮ってもいい写真になりますよ。
【写真提供:木寺良三先生(一眼レフで撮影)】

黒いワンちゃん、猫ちゃんを撮るときは「曇りの順光」がセオリーです

「黒いワンちゃん、猫ちゃんを撮ったら顔も真っ黒になってしまって、影にしか見えない」
というのは、黒いワンちゃん、猫ちゃんあるあるです。

まず、黒いワンちゃん、猫ちゃんの顔を明るく撮りたい場合は、太陽などの光に向かって撮る「逆光」を避けてください。
撮る人の背中に太陽などの光がある「順光」の状態にしましょう。
また、晴れた日よりも、曇りの日のほうが黒いワンちゃん、猫ちゃんの顔はキレイに撮れます。
太陽がガンガンに照っていると、顔に光が当たりすぎてしまって陰影が付いてしまうのです。

黒いワンちゃん、猫ちゃんの場合は、曇りのほうが顔はくっきりと映ります。
【写真提供:木寺良三先生(スマホで撮影)】

走り回るワンちゃんを撮るときは「とにかく画面内に収める」ことを意識しましょう

ドッグランなどで走るワンちゃんの写真を撮るときは、画面内に収めてとにかく連写しましょう。
はじめのうちは、100枚撮った中から奇跡の1枚を探すのがおすすめです。
背景は公園の緑などが入るようにするといいでしょう。
公衆トイレや、ほかの方が映らないように注意しながら連写します。

走るワンちゃんを撮るときも、ローアングルからの撮影をしてみましょう。
【写真提供:木寺良三先生(一眼レフで撮影)】

ドッグランなどで走るワンちゃんを撮影するときは、「待て」と呼び戻しのしつけができているととてもスムーズです。
「待て」でワンちゃんに待っていてもらって、「おいで!」でカメラに向かって走ってきてもらうイメージです。

猫ちゃんや寝ているワンちゃんは、シャッター音をオフにできると撮りやすいです

猫ちゃんの自然な表情を撮りたいときは、窓越しで自然な表情を狙ったり、カメラのシャッター音をオフにして寝ているところを撮ったりしてみてください。

カメラの音や、いつもと違う雰囲気などに怯えてしまう猫ちゃんの場合は、窓越しから撮影することなどから始めて、徐々に撮影に慣らしていきましょう。

「Go Pro」など「ウェラブルカメラ」の導入もおすすめです

ワンちゃん、猫ちゃんや飼い主様の体に装着する「ウェラブルカメラ」も、非常に面白い写真や動画が撮影できます。
私が使っているのは「Go Pro」ですが、ワンちゃん、猫ちゃんの体につけるためのアタッチメントが販売されており、「走る犬目線の動画」「家の中を探検する猫ちゃん目線の動画」などが撮影できます。

もちろん静止画も撮影でき、画素数も最新モデルの「HERO7 Black」だと1200万画素と十分な性能です。
防水もバッチリで、水の中に飛び込むワンちゃんを撮影することもできます。

泳ぐのが好きなワンちゃんなら、Go Proでの撮影はとてもおすすめです!
【写真提供:木寺良三先生(Go Proで撮影)】

これもGo Proで撮影した写真です。手軽に動きを撮ることができます。
【写真提供:木寺良三先生(Go Proで撮影)】

一眼レフカメラ+望遠レンズで撮るときは「犬と背景の距離を空けてみて」

最近の一眼レフには、望遠レンズが付属するモデルも多いです。望遠レンズを活用すると、背景がボケたいい写真を撮ることができます。
コツは「犬とカメラの距離は2~3m、犬と背景との距離が20mほど離れている」ことです。

背景とワンちゃんの距離が空いていると、きれいにボケます。
【写真提供:木寺良三先生(一眼レフで撮影)】

一眼レフの素晴らしいところは、レンズのバリエーションが豊富な点です。
広角レンズでワンちゃんや猫ちゃんを撮っても、面白い写真が撮れますよ。

広角レンズで撮ると、ワンちゃんが大きく映り、背景もボケずにくっきり映ります。
【写真提供:木寺良三先生(一眼レフで撮影)】

背景をしっかり広く入れて撮りたいときは、広角レンズがおすすめです。
【写真提供:木寺良三先生(一眼レフで撮影)】

ぜひ、ワンちゃん、猫ちゃんをたくさん撮影してみてくださいね。

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