足の裏の毛が伸びていると、犬の場合はフローリングですべったり、お散歩のときに足がやたらと汚れたりしてしまいます。また、肉球がひび割れていると、そこからバイ菌が入ってしまうことも。今回は、簡単にできる犬と猫の足の裏のお手入れ方法をご紹介します。
犬は爪だけではなく、肉球の間から生えている毛も伸びます。毛が伸びると、散歩のとき足の毛に汚れを巻き込んでしまうので、散歩の後に足を拭いても汚れが取れにくいです。また、ご家庭のリビングや廊下がフローリングの場合は足がすべりやすくなり、犬が足の関節や腰を痛めやすくなってしまいます。
さらに、肉球のチェックも必要です。特に冬や季節の変わり目、乾燥するシーズンは肉球がひび割れやすくなります。肉球がひび割れていると犬が痛みを感じて散歩をしたがらなくなったり、ひび割れに汚れが入り込んでしまったりすることがあるので、市販のペット用肉球クリームで油分をまめに補充してあげましょう。また、散歩の後は犬の足裏を拭きますが、あまりゴシゴシ拭くと乾燥を促進してしまうので、ペット用のウェットティッシュなどでそっと、優しく拭うようにしましょう。保湿剤や水溶性コラーゲンなどが配合されているウェットティッシュなら、足裏を拭きながら保湿することができます。
散歩の後で犬の足裏を拭くとき、足裏をよく見るようにしましょう。足の裏を水平に見て、毛と爪が肉球からはみ出ていたら、はみ出ている部分のみを切るようにします。
足裏の毛を切るのは市販されているペット用バリカンがベストですが、やむを得ずハサミを使うときは、先端が丸いハサミを使うようにしましょう。
爪切りにはギロチンタイプや電動やすりタイプなどがありますが、爪切りが平気だったり、爪が硬い大型犬だったりする場合はギロチンタイプのほうが切る場所の狙いがつけやすいです。爪切りが得意ではなく、爪が比較的柔らかいトイ・プードルやチワワなどの小型犬なら電動やすりタイプのほうがいいですが、犬の足を握って犬が嫌がるようなら、爪切りはかかりつけの動物病院などにお任せしたほうがいいでしょう。
また、犬の爪には血管が通っており、爪を切りすぎると出血します。市販されているペットの爪用止血剤を準備しておくと安心です。
ペット用肉球クリームも用意しておきます。
月に1回は、犬の足の裏を見ます。足の裏を水平に見て、毛と爪が肉球からはみ出ていたら、お手入れのタイミングです。
肉球から毛がはみ出ていることがわかります。
手入れは、テーブルなどの高いところのほうがやりやすいですし、犬もあまり暴れません。1人暮らしの場合は、ペットを固定するリードが付いたトリミングテーブルがベストです。ご家族で犬を飼っているご家庭なら、必ず犬をなだめながらおさえる人、手入れをする人の2人一組で足の手入れを行ってください。
犬の足をやさしく握り、バリカンか、刃先が丸いペット用ハサミで肉球からはみ出ている部分の毛を切っていきます。あまり強く足先を掴まないようにしましょう。また、肉球を傷つけないよう、肉球にペットオーナー様の指を添えるようにしてください。
肉球から刃を水平に離し、刃先は上に向け、刃先にペットオーナー様の指を当てます。
肉球と肉球の間の毛を切るときは、肉球をペットオーナー様の指で覆って肉球を切らないように気を付けます。
ペット専用バリカンを持っている場合は、一番短いアタッチメントを付けて肉球に刃が触れないよう気を付けながらはみ出ている毛を切ります。ハサミよりも気楽に切れます。
この要領で4本の足すべての足裏の毛をカットしますが、犬がなれないうちは1日1本ずつでもかまいません。
また、ここまでで犬が疲れているようなら、爪切りは次の日に行います。今日は右足裏の毛、明日は右足裏の爪、というように、犬の様子を見ながら手入れをしていきましょう。
次は爪切りです。犬は爪にも血管が通っているので、切りすぎて出血させないようにすることが肝心です。犬の爪が黒いと爪に通った血管が見にくいので、特に注意しましょう。
犬の爪をよく見ると、先端が白くなっています。ここには血管が通っていないので、この部分のみ切るようにします。
ギロチンタイプの爪切りの輪の中に犬の爪を入れ、刃を爪に触れる程度まで下ろして血管まで切れないかを確かめてから切ります。
万が一切りすぎて出血した場合は、ペットの爪用止血剤を爪の先に詰めます。
狼爪(ろうそう)がある犬の場合は、狼爪も忘れずに切ります。
狼爪にも血管が通っているので、切りすぎないように注意しましょう。
毛と爪を切り終えたら、肉球にペット専用の肉球クリームを塗ります。犬は足をなめるので、人間用ではなく、必ずペット専用の肉球クリームを使うようにしてください。
できました!
我が家ではオーストラリアン・ラブラドゥードルを飼っていますが、毛と爪が伸びやすいので月2回足裏を手入れしています。犬種にもよりますが、月1回を目安にするといいでしょう。定期的にトリミングに出している場合は、トリマーに足裏のお手入れのタイミングを確認してください。
ペルシャやメインクーンなど長毛種の場合は足裏の毛を切ったほうがいい場合もあります。ただし、猫の爪切りと足裏の毛のカットは猫がとても嫌がるケースが多いです。家具などで猫が爪をといでしまうことを防ぐためにはまめに爪を切ったほうがいいのですが、猫が嫌がる場合は絶対に無理をしないようにしましょう。はじめのうちは、トリミングサロンか、かかりつけの動物病院で切ってもらうようにしましょう。猫の爪は柔らかいので、人間の赤ちゃん用のハサミタイプの爪切りがオススメです。また、猫用の爪とぎを用意して、そこで爪をとぐよう仕向けるほうがいい場合もあります。
ペット用の肉球クリームは、猫をじゃらして遊びながら塗ってあげるといいでしょう。猫は足をなめるので、人間用ではなく、必ずペット専用の肉球クリームを使うようにしてください。